第７話 Sちゃんの悲劇②
ある時Sちゃんは言いました。「（農薬を）撒きとうて撒いとるわけじゃあない。」翻訳すると、撒かざるを得ないから撒いている、という意味です。また、こうも言いました。人生の楽園という番組について、「お金のある人がやることじゃけん。僕らは食べていくためにクスリを撒いとる。」と。そしてこう言ったのです。「昔はいっぱい百姓らのグループや勉強会があったけど、全部、潰された。」Sちゃんは、巨大な勢力によって、百姓の自立が踏み潰された事実を打ち明けてくれました。
そういうことです。
体制に異を唱える者、盾つくものは芽のうちに始末するのが全体主義（中央集権体制）の鉄則です。例外なく我々の集落、村も、異端分子が整理されました。そしてその時からSちゃんら百姓は、従順な下僕、無抵抗な奴隷に貶（おとし）められたのです。体制に文句を言わない無抵抗な奴隷だけに補助金を与える、アメとムチの効率の良いシステムを築き上げていったのです。こうして、農業政策に異を唱えることは最大のタブーとなってしまいました。思考停止です。もっと進むと思考退化。重症化すると、思考する人を攻撃するようになります。手の施しようがありません。
２０２２年１０月、深夜。Sちゃんが救急搬送されました。脳梗塞でした。三回めのちくわ祭りに参加して七日めだったということです。Sちゃんは一命をとりとめたものの、今もリハビリを続けておられるそうです。おとなしい方で、人一倍働き者だったSちゃん。長年、おびただしい農薬に曝露され、「僕はもうボロボロなんじゃ。」とクスリを飲んでいたSちゃん。それでも体制に従ってちくわを召し上がり、取り返しのつかないことになりました。
今日の近代科学農業は、一定の薬害犠牲者を生み出す体制になっています。このしくみの良いところは、農薬が売れ、肥料が売れ、農家が病気になってクスリが売れ、食べた人も病気になって医療システムが栄える。このしくみをちょっと引いたところから見ていましょう。アレレ？あるところにお金が流れています。労せずして口座の残高がふくらむ仕組みができているようです。その先のお金がどこに流れるのか。軍産複合体です。おわかりでしょうか。地球規模の利権構造の、これは一つの断面にすぎません。
このしくみの特長は、利権による利権のための持続可能な利権構造にあります。つまるところ全ての富と権力が一握りの支配階級に収れんされてゆくしくみです。Sちゃんが言っていた「僕らがクスリ使わんと、キカイの会社もクスリの会社も皆たおれてしまう。」と心配していた農薬ムラ。このムラの主（あるじ）が多国籍バイテク企業。彼らのやっていることは種子の独占、食の独占です。
自らの会社のタネ、種子と農薬を使うことなしに農業ができないしくみ。完全にカルト宗教です。とても正気の沙汰とは思えません。間違っても農家を豊かにするだとか、農村を豊かにするだとか、環境を良くするだとか、みじんも考えていません。全部大ウソです。正反対と考えてください。本当の目的を成し遂げるための用意周到なだましのテクニックです。日本のまじめで人の良い百姓が、全部だまされています。
カレラは地球規模の利権構造の重要な位置にいます。農と食を支配すれば、人類を支配したも同然だからです。このしくみを世界規模に築きあげるために置かれているのが農協。そして、自治体の農政窓口。これはカレラの出先機関となっています。繰り返しますが、このしくみは、農の支配、食の支配、人類の支配を目的にしています。このしくみの中では農薬がなくてはならず、クスリがなくてはなりません。これらは持続可能に富を生み出すための泉なのです。ですから間違っても農薬のない世界、病気のない世界、というものを望んではいません。人類が自給自足を始めて医療やクスリに頼らない健康体になってもらっては困るのです。なぜなら莫大な富を生み出す利権構造が崩壊してしまうからです。
彼らはSちゃんのことなど何とも思っていません。農薬の会社にしろ、ちくわの会社にしろ、こう言うでしょう。我々は知りません。何の関係もありません、と。
もう、おわかりと思いますが、こういったタチの悪い連中と、一刻も早く縁を切ることが身のためです。何もいいことはありません。いな、災難が待ち受けています。もっとはっきり言いましょう。５６されます。なるべく長期間薬害で苦しめて５６す。これが彼らの持続可能な収奪システムです。犠牲者にならない道はただ一つ。真実を知ることです。そしてこのシステムから一刻も早く抜けることです。あなたを５６す連中の言うことは、これ以上聞く必要はありません。滅びなければならないのは、カレラの方だからです。
第８話 山林を購入する【最終回】へつづく
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