風の起こし方

はるか昔に滅んだ「労り一族」の子孫 『労り人 久巫こ』 のブログ

預金残高30万の私が、五千坪の山林を購入することができた、いきさつ最終回【全8話】④

 



最終回④

 昭和の終わり、バブルの時代に都市部の土地が高騰し、その余波が農村まで及びました。それまで山林は集落の人で分け合って共同で手入れしていました。相続も、親族や集落の住民で行われていました。それがバブルの時代にお金を目的とした投機的な売買がされるようになり、その最も土地が上がった時期に大叔父がK.Tさんのお父様に売却したのです。

 その数年後、牧場の夢は実現することなくK.Tさんのお父様は亡くなられました。土地は手入れされることなく、30年放置されていたのです。私が帰郷してK.Tさんの土地に隣接するのり面を数年かけて手入れし、ようやく草むらに隠れていた用水路があらわれるようになりました。集落の作法でいうと、本来K.Tさんのするべき仕事を私がやむにやまれず、手入れさせて頂いたというわけです。

 私はこの骨折りの仕事を一人でやり遂げたという達成感があったため、資金力はなかったものの、精神的に優位に立つことができました。私は自分のすもうをとれば勝てると思いました。自分のすもうとは何か。土地に住む住民として、集落を守るという責任感で交渉に臨むということです。



 日本の山林がチャイナに売られています。チャイナが親切に日本の山林を守ろうはずもありません。実効支配です。既成事実をつくって後戻りできないようにさせるのがチャイナの常套手段です。

 最近のキャンプブームの裏で、山林売買のマッチングサイトが盛況を呈すようになりました。山林を手放したい地主と買いたい個人・法人の間を取り持つ仲介事業です。表向きは日本企業の看板が掲げてありますが、実質、チャイナが運営していると言われています。売却先が見つからず、手っ取り早く現金化したい地主の駆け込み寺です。登記簿謄本も印鑑証明もすべて渡し、あとは売却先をマッチングし、登記まで仲介業者がすべて代行しています。地主さんはお金を受け取ってサヨウナラです。

 さて、ご先祖からの財産、山林は誰の手に渡るのか。チャイナです。太陽光発電か、キャンプ場開発か、いづれにしても経営の実態は殆どがチャイナと言われています。実効支配の完了です。日本の国土が売却されているのです。この図でいうと地主は自覚のない(ある場合もあるでしょう)工作員となります。国土占領、一丁あがりです。これはもう、山林版オレオレ詐欺です。この現実を生み出した要因は何か。ムラや集落を守ってきた気骨ある地主が命絶え、1.後継者が異教に完全に洗脳された、2.投機目的で異教の信徒に売却された、かのどちらかです。

 私は山林は決して商業的な売買はすべきでない、というのが持論です。これまで申し上げてきた通り、山は神様の御神体です。そして土地のご先祖の霊が眠る場所でもあります。これは欧米のエコロジーの概念よりも本質的であると、私は考えます。生態系というのは科学的なとらえ方であって、「御神体」であるとか「霊が眠る」というものの考え方は、異教に蹂躙される前の日本民族の古来のもののとらえ方です。この古来の思想というものが、日本を日本たらしめている「体(てい)」であると、私は考えます。 

 日本では一般的に皇室が「国体」であると言われていますが、私はもっと深くて広い概念という意味で、古来の思想というものがより深い意味での「国体」ではないか、ととらえています。そうであるならば、山は紛れもない神さまの御神体であり、穢(けが)してはならない神聖なものであるはずです。この感覚が骨身にしみていたならば、ヤレ太陽光発電であるとか、キャンプ場であるとか、ご神体を穢す開発という名の自然への襲撃などできないはずなのです。



 戦後、GHQはなぜ古代神道を禁止したのか。古代神道以外に「開発」という合法的自然破壊を論破できる思想はない、ということを何よりもよくわかっていたからです。この思想が日本の統治を妨げるということを何よりも恐れたからです。「開発」という言葉の裏にカルトの本質が隠れています。「開発」とは自然破壊の真実を隠ぺいするために、人類の認識を変えるために用いられているサブリミナル言語です。進歩主義、科学万能主義というのは、カルト宗教を合法化するために生み出された屁理屈であって、人類の認識を変えて思想をカルト宗教に誘導していくための、タチの悪い思想的なワナに他ならないのです。

 それは私たちが見聞きするテレビやマスコミからの情報に潜り込ませていて、人類は常に誤った情報によって洗脳されているのです。自覚のない洗脳によって、認識が改ざんされています。

 現代社会では、山を御神体と考える人が圧倒的少数派となってしまいました。「開発」の地ならしは準備万端で、オペレーションの「時」を待つばかりとなっています。すでに日本は死に体であると言っても過言ではありません。 人類のあらゆる日常にこういった情報戦、思想戦が繰り広げられていて、多くの人はカルト宗教の強力な感染力に太刀打ちできず、洗脳されてしまいます。

 カルト宗教の洗脳は、生まれた時から親によって始まり(多くは…。洗脳を見抜いているまともな親もいる)、学校、職場、社会でより強固なものになってゆきます。自分が洗脳されていることに気づき、その洗脳を解くことは容易ではありませんが、洗脳を解くことの重要性は、人類を救済することに匹敵するほど重要なことです。

最終回⑤へつづく(~⑦完)