風の起こし方

はるか昔に滅んだ「労り一族」の子孫 『労り人 久巫こ』 のブログ

預金残高30万の私が、五千坪の山林を購入することができた、いきさつ最終回完結話【全8話】



最終回完結話

 

 数日後、K.Tさんから電話がありました。

 ひゃくさんじゅうごまんえんでお願いしたいと思います。私は、わかりました。私もそれぐらいで、と考えていたところです。と応えました。

 5万円は誤差の範囲内です。驚くべきことに、私もK.Tさんも導き出した数字はほぼ同じでした。これはつまり、似たような思考経路をたどったものと思われます。135万円で売買、という大枠が決まりました。次に大事な話をまとめなければなりません。私は恐る恐る切り出しました。あのう、お支払いは分割でもいいでしょうか。K.Tさん、ああ、いいですよ。軽い波動で即答してくださいました。私はほっとしました。懸案事項は全てクリアです。K.Tさんは言いました。それでは川崎さんの段取りでけっこうですから、お支払いの計画を紙にまとめて送っていただけますか?私の希望もお伝えします。細かいところはこれから詰めましょう。

 二回目の交渉が終わりました。

 私はその日の夜、夢を観ました。

 私は夜明け村の、自分の土地に立っています。ふと、上空を見上げると、何ということでしょう。視界いっぱいの虹なのです!空の全てが虹なのです。しかもアニメーションのように、きれいな虹色が波を打ってゆれています。私は上空の虹に包み込まれているような感覚でした。感動で身動きができませんでした。そして、それだけではなかったのです。

 虹の波間から、途方もない量の桜の花びらが舞い降りてきたのです。私は暫く、桜吹雪にされるがままでした。何というわかり易いメッセージでしょうか。大いなる祝福でした。異次元の存在からの祝福であると、私は受け止めました。そして、その祝福は、私は独りではなかったこと、私の進んでいる道は間違いではなかった、ということの知らせでもありました。私はそのように受け止めました。ありがとうございます。私は全てに感謝したい気持ちで一杯でした。

 K.Tさんとはその後、何度か手紙のやり取りを重ね、最終的にお互いに納得のいく売買契約書を作成することができました。そして、二か月後の9月。私とK.Tさんは対面し、無事に契約を交わしました。初回に50万円の支払いをしました。残り85万円は、4回の分割にしてくださり、20万少しを4年間かけてお支払いすることになりました。全て完納した後、所有権移転の登記の手続きとなります。私は前回の田んぼの売買契約で、法務局に5回も通って自力で登記の申請をした実績があるので、今回も自分でやります、とお話したら、僕はこういったことは全て任せているので、自分でやったことはないですねぇ。と感心してくださいました。こういった経験値がK.Tさんとの交渉の際に、実体験からくる生きた言葉として説得力をもつことができたのだろうと思います。

 これが、預金残高30万の私が五千坪の山林を購入することができた、いきさつです。



 最後までお読みいただきましてありがとうございました。山の購入をしたという報告がてら、そもそもなぜそういった話の流れになったのか、説明するには、まず物事の始まりからお話しする必要がありました。私もこれまでの出来事を振り返り記録に残しておきたいという思いがあり、外せない出来事を軸にして構成を組み立てました。しかし、いざ書き始めてみると、その時その時に私が苦悶したこと、乗り超えたこと、そして教えられたことなどが次々に蘇り、きちんとアウトプットしておかなければその先に進めない、という状態でした。素描ではありますが回顧録として発表することができ、万感の思いです。

 冬至までの予定が、年を越し、立春を超えての脱稿となりましたが、集中力を切らすことなく最後のゴールが切れたことは、私にとって良い経験となりました。韓国ドラマのようになかなか終わらない話に忍耐強くお付き合いくださいました読者の皆様に、心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。